3Dモデラーが関わるソフトをまとめてみた

ゲーム業界に飛び込んではや2年…
Maya以外にも、業界では様々なソフトが使われていることを知りました。

モデラーであっても、Mayaだけを使っている人はほぼ皆無です。
業界人なら、3つ 4つ 以上のソフトは使用することになります。

どんなソフトが使われているのか、私の経験からまとめてみました。
これから何を勉強しようか。の参考などにどうぞ。

モデリングソフト

Maya

Autodesk社製。業界標準ソフト。
3Dモデラーの必需品。
モデリングからアニメーション、リギングやシュミレーションまで、3D作業は大体これ1つでできてしまいます。
独自カスタムが容易で、効率化しやすいことが大きなメリット。
フリーの効率化ツールもネットに溢れています。
年/約30万円と、値段が高いことがネック。
値段は高いけれど、業界ではまだまだ現役。

3dsMax

Autodesk社製。
アニメーターさんが特に好む印象。
プリミティブ機能が豊富でスピーディーな制作ができるようです。
Maya:3dsMax = 7:3 の業界使用率な印象。
Mayaより、本当は3dsMaxを使いたいという声は多い。

Lightwave

Mayaの前はLightWaveを使っていた、という人は多いです。
現役で使っている人もそこそこいます。
何よりMayaより安い。

Blender

驚異のフリーソフト。
大企業から多額の資金援助があり、ここ最近のアップグレードは凄まじい。
高額なMayaじゃなくてBlenderでいいじゃん、という声が出てくるほど。
アニメ業界は、Blender主流になりつつあります。
Autodesk製品はとにかく高いので、Blenderの発展は業界の多くの人が願うところ。
ゲーム業界標準が、MayaからBlenderになる日も遠くないかもしれません。


テクスチャ作成ソフト

Photoshop

テクスチャ作成の定番。
本来の写真編集に使う人は業界では少数w。
イラストといえばClipStudio、モデルのテクスチャはPhotoshop、という使い分けが多い。
3Dペイント機能は激弱なので、それは他ツールを使用しましょう。

SubstancePainter

3Dペイントソフトの1つ。
リアルな質感を半自動で作る能力があり、リアル系ゲーム制作には必須になっています。
Maya標準の3Dペイント機能よりも使いやすく、
テクスチャサブツールとして習得していると、救われることがあります。
値段も月/$20と、手ごろなのも高ポイント。
2Dでのテクスチャ作成は苦手で、Photoshopとの併用が基本になるでしょう。

3DCoat

3Dペイントソフトの1つ。
こちらも、リアルな質感テクスチャ作成が得意なソフト。
簡単なモデリングもできます。
手ごろな価格の買い切り制で、お財布にとてもやさしい。
アップグレードに追加料金がかかる仕組み。
昔からあるソフトで、古参の方が使っている印象。


その他 デザイン系ソフト

ZBrush

スカルプトモデリングツールといえばこれ。
デジタル粘土造形ソフトと表現できます。
Mayaでは動かない超ハイポリも、ZBrushならヌルヌル動きます。
基本的にモデリング機能のみのソフトで、リギングやアニメーションは出来ません。
ポリゴン数が多過ぎてしまうため、ゲーム制作でメインでは使われません。
ノーマルマップ制作や、コンセプトアートには使われることが多いです。
キャラクターフィギュア業界で猛威を振るっています。
フィギュア業界のクオリティを跳ね上げ、デジタル造形を普及させたゲームチェンジャーです。

SubstanceDesigner

ノードベースのマテリアル作成ソフト。
テクスチャ作成もできます。
リアル系の表現が強い。
プログラミングができなくても、ネットに転がったレシピをなぞるだけで再現できます。
SubstancePainterの標準機能では物足りなくなったら、手を出してみると面白い世界が待っています。

SubstanceAlchemist

素材加工ソフト。
撮影した写真をゲームで使えるテクスチャ素材に加工できるソフト。
多くのAI機能を組み合わせて、求める素材へと加工できます。
自分独自の素材を、沢山ストックしたい場合に重宝します。


ゲームエンジン

Unity

昔からある定番ゲームエンジン。
基本無料で使えます。(会社規模なら開発期間分お金がかかります)
日本でもノウハウはとても豊富。
最近UnrealEngineに押され気味…。

UnrealEngine

新規気鋭ゲームエンジン。
略してUE。
こちらも基本無料で使えます。(売り上げに対して%納税するしくみ)
Epic Games社製。
「Unityで出来ないことは、UnrealEngineが出来る。」とよく聞きます。
リアル系表現に強く、海外ではもっぱらUnityよりも使われています。
FF7リメイクはUE使用。
開発費が安く始められることから、日本の会社規模の開発でも採用が多くなっています。
コンシューマーは、UnrealEngineの方が使用率が高い印象です。

自社製ゲームエンジン

会社独自にゲームエンジンを作成するのは、大手ほど多い印象です。
例えば、ブレスオブザワイルド、ドラクエⅩ、モンハンライズ などなど。
処理の最適化や高速化、作業の効率化などを求めると、
自社製ゲームエンジンを作る。という結論にたどり着くみたいです。
まぁ、UnityやUE使用と言いつつ、改造しまくって独自ソフトと化していることが普通ではありますが…。
デザイナー目線で言うと、コロコロ変わるゲームエンジンに振り回されるのは正直困る…。
個人でゲームエンジン作成は、お勧めはしません。沼です…。大人しくUnityやUEを使いましょう。


バージョン管理ソフト

GitHub

データ共有ソフトの定番。バージョン管理ソフトの1つ。
基本無料なのも嬉しい。
独特な考え方を求められるソフトで、デザイナー職からすると取っつき辛くてしょうがありません。
が、慣れるとこれほど便利なものはありません。
業界に行くとほぼ必ず触れることになるソフトの1つ。怖いが、触れて慣れるしかないソフトです。

GitLab

GitHubの兄弟みたいなもので、よく似ています。

SourceTree

GitHubの兄弟その2。
GitHubか、GitLabか、SourceTreeかは、正直好みの問題。
どれか1つに馴れれば、あとはどれも似たようなものです。

Perforce

上記3つのGit系は、どれも似たり寄ったりですが、Perforceは別物。
Google Driveや Dropboxに近い使い方で、考え方は Git系。Git系よりも高速。
ゲーム業界でたまに使われるソフトです。


あとがき

こうして見ると多くのソフトがありますね。
新しいソフトが出たら触ってみたり、別の案件では新しいソフトを使わされたりと、
ソフトに振り回されることもあって結構大変なんですよね。
更新も速い世界なので、知識更新も一苦労です。
そしてお金も飛ぶ…。会社に居ながら学ぶと一番安く済みます。
ニュースサイトやまとめサイト、情報雑誌などをチェックすることが、いつの時代も強いモデラーになるには必要でしょう。

ソフト環境はどんどん変化していくものなので、
どんなソフトでも使える不変の知識が、何よりも大事だったりします。

つくづく3Dゲーム制作は骨が折れますね…。

今回は以上です。